2006年03月30日

イブの出産、アダムの誕生―お産を愛する人たちが語るもうひとつの出産

お産は自然的な営みのはずなのに、実際にはすでにお産は「医療的な営み」になってしまっている、と疑問を投げかける人々、また実際に「自然な営みとしての出産」を実践された人々の様子を取材し、お産の新たな現代史を描き出そうと試みた本です。

第1章では、水中出産にスポットを当てています。「赤ちゃんを水の環境の中で迎えると(女性は)すっかり抑制が取れて、しばしば強烈な感情が沸き起こってくる。本能の開放、感情の開放──これこそが問題の核心である」と、自身の“お産の哲学”を述べるオダン氏へのインタビューを中心に、その話題はイルカとのコミュニケーションに及びます。

第4章では、お産とスピリチュアルな領域の関係について、シャーマニズムやアイヌの精神に触れつつ、お産のあり方を見つめます。そして本書は、お産はいのちの原点であることを再確認して行きますが、本書を通して読むことで、リアリティと説得力をもってそのことが読者に迫ってきます。

2006年03月29日

自然出産の智慧―非西洋社会の女性たちが伝えてきたお産の文化

本書は世界各地の妊娠と自然出産を紹介した本です。とは言え、自然分娩至上主義を唱えている訳ではなく、本書で紹介されている各地の分娩の慣習を通じ、現代女性が出産に臨む際にもっと考慮してもよい、多くの賢明で実用的なヒントを提供しようと試みられています。

人類共通の出産という出来事のまわりには、世界各地ごとの様々な社会的習慣、慣習が取り巻いており、まさに文化そのものに触れる思いです。そしてまた、その多様性に驚かされると同時に、世界で共通した配慮がなされていることにも気付きます。

本書の最後には、この「世界各地で共通して見られる内容」について、例えば「(妊娠中は)暑過ぎないようにし、また仰向けに寝ないようにする」とか「(出産時)会陰部に湯気を当てたりオイル類を塗ることで裂傷を防ぐ」、「胎盤が出て赤ちゃんの呼吸が整うまで、へその緒は切らない」といった具合に全般に渡ってまとめられており、あらためて妊娠期間と出産に対するケアを考え、見つめることが出来ます。

2006年03月28日

理想のお産とお産の歴史―日本産科医療史

現代の産科医療に疑問を持つ著者が、これまでの産科医療の歴史を顧みつつ、政治的、法律的、社会医学的な問題の多い産科医療に対して考察を加え、いくつかの提言を行った本です。

第1章では、これまでの出産の歴史について、古代から近代(明治)までをざっと俯瞰しています。そして第2、3章では、いわゆる“産婆さん”の誕生とこれまでについて、各種法令や教育行政といった面から考察されています。

そして、第4章において、それまでを踏まえつつ、安全な出産のために考えられるべき助産婦のあり方とその養成方法の問題点について、また制度面での問題について、数々の提言を行っています。

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社会文化とセクシュアリティを研究する、読書好きの男性です。